自称”メイド研究家”の知り合いと妹さんの3人で昼食を食べに。
待ち合わせ~解散するまで、ほぼメイドの話一色。
妹さんいわく”メイドについて話をするときは、人を選んでるんですよ”とのこと。
・・・え?ウチはそう見られてるのか(-x-;
実際、メイド衣装とかゴスロリ衣装は見慣れてるからなぁ。
否定する要素はないので”そっか”とだけ答えておいた。
電車男が世間に出てから一般に”オタク文化”が認識され、今では多少なりとも受け入れられるようになった。
特にメイド・メイド喫茶については世間一般にも知れ渡ることになったのではないのだろうか?
今や誰もが知っているであろう”メイド”という言葉。
しかし、その歴史や形態を知っている人はかなり少ない。
ヴィクトリア朝(正しくはハノーバー朝ヴィクトリア女王時代)
イギリスにおけるヴィクトリア女王が在位した時代のこと。
歴史学において、19世紀のイギリスを表し、メイド学的にも19世紀全般を表している。
なぜヴィクトリア朝が出てくるの?と思われる方もいるでしょう。
それは、この時代のメイドが”メイドの標準”とされているからである。
その理由として・・・
・当時のイギリスが世界帝国としての絶頂期→文化面において他国に与える影響が大きい。
・英国国内でのメイド雇用の絶頂期→メイドのデファクトスタンダードに。
産業革命と自由貿易によって、国力が最も充実した時代である反面
古い生活習慣や階級社会、特に階級上昇志向が極めて高かった。
自分を実際より上流に見せようとしたスノビズム・・・
言ってしまえば、「紳士気取り」の風潮があった。
いわばステータスとして使用人を大勢雇い入れることが行なわれた。
また、イギリスでは”使用人税”が男性使用人に税金が課せられることとなった。
限られた資金の中で使用人の雇用数を増やす為に、賃金の安い女性の使用人を雇うことになった。
(当時の女性の賃金水準は、男性の半額~20分の1と言われている。)
こうして、安価な労働力としてのメイド市場は隆盛を見せる。
メイド
メイドは正しくはメイドサーヴァントといい、「家政婦」や「女中」など、様々な訳され方をする。
一般的に「メイド」は家事の全てを担う者、と思われがちだが実際はそうではない。
本来その職種は多岐多様に渡っており、メイドを雇う家庭の程度によって
構成人数や仕事の割り振りは変わってくる。
・ハウスキーパー(House Keeper)
女中頭。いわゆるメイド長。
館における家政全ての指揮や監督、使用人の統率。
メイドの階級において、最上位とされている。
・レディースメイド(Lady's Maid)
侍女。主人の身の回りの世話をする。
本来は女性(貴婦人)の世話をする役割を持っていたのでこう呼ばれる。
・パーラーメイド(Parlour Maid)
客間女中。来客の取次ぎ、客間での食卓の準備や給仕を行う。
主人や客人の前に出る機会が多いため、美人が好まれた。
メイドの花形とも。
・ハウスメイド(House Maid)
家女中。ハウスキーパーの指揮の下で館の管理をする。
主に部屋の管理や掃除をする。
・ナーサリィメイド(Nurse Maid)
子守女中。乳母の補佐をする。
子どもの着替えや運動、食事の世話等、育児に関する全権を持つ。
子どもの人格形成に大きな影響力を持っていた。
・ランドリーメイド(Laundry Maid)
洗濯女中。洗濯を行う。
相当裕福でなければ個別に雇われることはなかった。
・キッチンメイド(Kitchen Maid)
台所女中。料理人の下で厨房の作業を行う。
厨房の準備や料理の下ごしらえ、簡単な料理等を行う。
・スカラリーメイド(Sculler Maid)
洗い場女中。お皿を洗う。
当時の貴族は食事回数が多いため中々に重労働だった。
・メイドオブオールワークス(Maid of all works)
雑役女中。仕事内容は雑用、つまり全ての仕事を受け持つ。
財政の都合により多くのメイドを雇えない場合は一人で仕事を行う。
言うまでもなくかなりの重労働。
ヴィクトリア期に存在したメイドの5分の3は、このメイドオブオールワークスだと言われる。
世間一般のメイドのイメージはこれだろう。
メイドと一口で言っても、その職種は多岐にわたる。
と、知り合いの話と調べた結果をまとめてみた。
まだまだあったけど、やや書き辛いこともあるのでこの辺りで。
メイド喫茶は認めないとか、メイドの在り方だとか他諸々。
本当に奥が深いもんだな。
将来は山奥の洋館でメイドを雇って暮らす、なんて言ってた知り合いの事が少しだけわかった・・・
ような気がしたような気がした。
多分。